備忘録(18)GDPの日独逆転
国際通貨基金(IMF)が10月に発表した「世界経済見通し」で、今年の日本の名目国内総生産(GDP)がドイツに抜かれ、世界3位から4位に転落すると予測されました。
日本が中国に抜かれ世界3位になったのが2010年で、いずれインドに抜かれると予想されていましたが、ドイツに抜かれるのは想定外だと思います。日本がドイツを抜いて米国に次ぐ世界2位になったのは1968年ですから、日独の逆転は55年ぶりということになります。
GDPの世界比較はドルベースで、日独の再逆転は円安が主因です。通貨の価値は国力を示すひとつの指標と考えれば、日本のGDPの転落は「没落する日本」を象徴する出来事かもしれません。
中国に抜かれたときには、中国は人口が多いから、という言い訳ができましたが、ドイツの人口は8320万で、日本の人口1億2570万の66%です。首相が国会演説で「経済三唱」するのもけっこうですが、「没落する日本」をどう食い止めるのか、その決意がみられなかったのは残念です。
円安の原因は、アベノミクスによる金融の緩和です。金融緩和といえば、日本銀行の責任ですが、金融緩和の中身は、日本政府が発行する国債を日銀がせっせと買い集めて日銀のマネーを金融市場に流したことですから、煎じ詰めれば、赤字国債の乱発による放漫財政が円安の根源ということになります。
税収が増えたから国民に還元する、と首相は言います。生活困窮家庭への支援は必要ですが、国民に広く減税するのがいま国のなすべき政策でしょうか。借金まみれの家庭で、少しばかりの収入があったからといって、「今晩はすき焼きだ」とお父さんが言えば、「まず借金を返してから」とお母さんは言うはずです。(昭和の家庭観で、すみません)
「貧すれば鈍する」という言葉がありますが、貧する国には鈍する宰相あり、といことなのでしょうか。
(冒頭のグラフは「no+e」に掲載された唐鎌大輔氏(みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト)の「逆転」と題した記事から)
この記事のコメント
コメントする
前の記事へ | 次の記事へ |
えええ~おどろいたね。
これは本当に驚きました。
日本は全くどうしょうもないですね。
しかし、これはまったくしょうがないですね。