備忘録(20)自民党パー券問題、勝負はこれから
東京地検特捜部による自民党の政治資金パーティーをめぐる事件の捜査が終わりました。立件されたのは7人で、うち議員は3人というのは、大掛かりな捜査だといわれた割には、成果は乏しいように見えます。大山鳴動して小ネズミ3匹、という印象です。
自民党は、裏金問題を派閥問題にすり替えて、派閥解消で逃れるつもりでしょうが、刑事訴追はまだ終わったわけではありません。この問題が検察審査会にかかるのは必至で、強制起訴による有罪確定という道も残されているからで、今回の立件は見送られた安倍派の幹部たちも枕を高くして眠るのは、まだ早いと思われます。
それにしても安倍派(清和会)の収支報告書不記載(裏金)の総額は13億円余りで、収入と支出はそれぞれ約6億8000万円だそうです。この6億8000万円はどこに消えたのか、これから各議員は収支報告書の修正に走るのでしょう。しかし、やましくない政治活動であれば、各議員の政治資金報告書にその収支がとっくに記載されているはずで、やましいからこそ、「裏金」だったはずで、どうつじつま合わせをするのか見ものです。
また、議員による修正の総額は6億8000万円になるのでしょうか。ならなければ、不足分は議員個人の私的費用となり、脱税の問題が生じます。さらに、「中抜き」(ネコババ)はどう処理するのでしょうか。税務当局が動かなければ、国民の税務不信は高まります。
裏金リストは公表されているわけではなく、検察が握り、その情報の一部は検察記者クラブの記者たちが得ていると思われます。大手メディアには、裏金がどこに流れたのか、しっかりと追ってほしいところです。大山鳴動に対する国民の不満は検察に向かっていると思いますが、裏金の調査報道がなければ、いずれ不満は大手メディアに向かいます。メディアの戦いは、これからだといえます。
(冒頭の写真集は、2024年1月20日の朝日新聞1面、赤いマークは筆者が挿入)
前の記事へ | 次の記事へ |
コメントする