すみだ北斎美術館オープン。私が実現したい3つの大きな夢
2016年11月22日、北斎が生まれ暮らした墨田区に「すみだ北斎美術館」が開館しました。既に外国人観光客に人気の江戸東京博物館、両国国技館と合わせて、イーストトーキョーの注目スポットになることは間違いありません。
すみだ北斎美術館 http://hokusai-museum.jp/
縁あって、郷里の宝となる北斎美術館の開館に、私も関わってきました。美術館の名称やロゴを決める委員に始まり、区外の知恵者を集めた北斎コミュニティデザイン実行委員長も務めています。微力ながら「墨田区百年の計」を念頭に、どうすれば地域の文化、観光、教育、産業を振興して、世界にも発信できる「美術館を超える美術館」にできるかを考えてきたのです。
そのアイディアの中には、関係者や有志の力で、既に実現していることや、準備が進んでいることも多々あります。しかし、私が妄想して、ここ数年間語り続けている大きな3つの夢の実現は、まだまだこれからです。
私の夢1 墨田区を「すみだ北斎区」に改名プロジェクト
墨田区は、東京大空襲で焼け野原となった戦後1947年に、本所区と向島区が一緒になって誕生しました。東京スカイツリーが開業するまでは、東京都心に近いにも関わらず、どこにあるか判らず、訪ねたこともない無名のごとき場所だったのです。
しかし「北斎」の名前は、全国どころか全世界的に有名です。すみだ北斎美術館の開館を期に、この美点を活用しない手はありません。
すみだ北斎区に改名されれば、今後、日本はもちろん世界で、東京地図が創られるたびに「北斎」「HOKUSAI」の名前が明記されることになるのです。また、新聞・雑誌・テレビ・ラジオでも、区名がニュースで流れるたびに「北斎」「HOKUSAI」と連呼されることになります。
そうすれば洒脱な地名とイメージに惹かれて「すみだ北斎支店」を創る企業や店舗も増えるでしょう。また「すみだ北斎区民」になることに憧れて、引っ越してくる人もいるはずです。
同時に、多くの人が訪れる公共施設も改名してしまいましょう。例えば...
墨田区役所 → すみだ北斎区役所
墨田区総合体育館 → すみだ北斎体育館
隅田公園 → すみだ北斎公園
すみだトリフォニーホール → すみだ北斎ホール
曳舟文化センター → すみだ北斎文化センター
などに改名すれば、コストをかけずに大きなシティプロモーションにつながるはずです。
美術館の開館以上に、「すみだ北斎区」改名の住民投票が、地元が世界に知られるきっかけになるかもしれません。住民投票に向けて、区民の間では賛否両論となるでしょうし、その顛末が面白おかしく、メディアやネットコミで報道されることになるかもしれませんが、それはそれで「すみだ北斎区」のプロモーションになると思うのです。
私の夢2 首都高「北斎」マラソン開催プロジェクト
2020年に開催される東京オリンピックの高額な設備投資と費用対効果が問題になっています。しかし、首都高「北斎」マラソン&自転車レースなら、設備投資なしで経済的波及効果も抜群です。
墨田区役所で受付を行い、隅田公園脇の首都高したでスタート待機。首都高向島ランプから隅田川沿いに北上したら、東京スカイツリーを眺めながら、葛西の大観覧車に向かって荒川を南下。湾岸線を西に進んでお台場からレインボーブリッジを渡ったら、浜崎橋から東京タワーを眺めながら、未来社会のようなトンネルをくぐり抜けながら、環状線を右回り。最後は、隅田川を渡って駒形で降りたら、震災、大空襲復興のシンボル、東京都慰霊堂、江戸東京博物館を抜けて、すみだ北斎美術館でフィニッシュ。
いかがでしょうか?昼も夜も絶景で、参加者はスゴいスマホ写真が撮れそうでしょう?思わずネット投稿したくなると思いませんか?
大人気の東京マラソンは、警備が大変で定員が限られ、抽選に当たるのも大変です。しかし、首都高マラソンなら、事前に「万が一の事故の際は自己責任。主催者も都も国も訴えない」と誓約書にサインした人だけが参加するようにします。そうすれば、警備はスタートとゴールの公道警備だけで済むのです。また、公道も墨田区のみならず全国の名産品やおいしい店の屋台を並べれば、大げさな警備も不要でしょう。
マラソンが開催される反対側の車線では、電動ママチャリでも参加可能な自転車レースをすれば、1日で百万人の参加も夢ではありません。1人1万円の参加費と、広告費、屋台出店費を考えれば、首都高1日貸切代を払ってもおつりが来る超黒字事業となるはずです。
首都高マラソンで、あえて墨田区をスタートとゴールにする意味はあります。外国人が大好きな浅草から橋一つ超えたところからスタートして、最後に、すみだ北斎美術館でゴールして、東京スカイツリーや江戸東京博物館でも遊べることが大きいでしょう。
皇居付近や都心で開催するには、重要設備が多くて警備が大変です。一方、墨田区ならば、隅田川花火大会の時と同じ通行止めゾーンで、首都高マラソンを実現できるのです。
このマラソンが実現すれば、国内外から参加希望者が殺到して、東京都内はもちろん近隣の宿泊施設や商業施設も大繁盛になるでしょう。オリンピックは50年に1度しか開催できないかもしれませんが、これなら毎年開催できるのです。しかも追加投資はほとんどない大繁盛計画なのです。
私の夢3 世界に向け「北斎賞」実施プロジェクト
ノーベル賞を自国民が受賞すると、なぜ、これほど世界中の人は大騒ぎするのでしょう。日本でも例外ではありません。おそらく、自分たちよりも権威のある海外の立派な人たちから認められたいという気持ちがあるのでしょう。
しかしノーベル賞自体も、最初は、ダイナマイトの発明者が創った無名の賞の一つに過ぎませんでした。だから、既に世界的に有名だったキューリー夫人を受賞者にすることでブランディングをしたのです。
私は、すみだ北斎美術館の開館が具体化した数年前から「北斎賞」を創るべきだと主張してきました。既に世界的に名声のある「北斎」の名を冠し、北斎の生地にして聖地の墨田区で、すみだ北斎美術館での展示と収蔵を副賞にすれば、きっと世界中から応募が集まるはずです。
その作品は版画や絵画だけでなくとも良いのです。漫画の元祖でもある北斎ですから、マンガ、アニメ、メディアアートの作品があっても良いでしょう。それらはネットで公開される他、街中にあふれていても楽しそうです。
かのドビュッシーが北斎の絵で交響詩を創ったように、北斎にちなんだ楽曲も集めて、小澤征爾さんや久石 譲さんの指揮で知られる地元オーケストラ「新日本フィルハーモニー交響楽団」が「すみだ北斎ホール」で世界初演をするのも素敵です。
こうして、将来、北斎やピカソになるかもしれない世界中のアーティストの作品が地元に展示され、アーティスト自身も訪れてくれるとしたら、どんなに素晴らしいことでしょう。できれば何ヶ月か滞在していただいて、新作や、地元企業とコラボ商品を創ったり、地元の学校で講義をしてもらたら最高です。きっと、すみだ北斎区を好きになって、第二の故郷にしてくださるでしょう。
その様子は、出身国のメディアでも紹介されて、自国のアーティストを誇らしく思うと同時に、いつか北斎の聖地を訪ねたいと思う人も増えるでしょう。
夢を夢で終わらせないプレゼン大会「Biz@北斎」
こうした私の妄想も、実現に向けて少しずつ動き出しています。
「夢を夢で終わらせない」というのは、すみだ北斎美術館の共同創設者でもある、地元金融機関「東京東信用金庫(ひがしん)」のモットーで、私も大好きな言葉です。
そこで、すみだ北斎美術館を活かして文化・産業・教育・観光振興をするアイディアを、地元キーパーソンを前に10分ずつプレゼンするイベント「Biz@北斎」を始めました。すみだ北斎美術館の講座室「MARUGEN100」を舞台に、墨田区に限らず全国の元気な人が定期的に集って、自らのアイディアを熱く語り合うのです。
ここには、ひがしん会長 澁谷 哲一さんはじめ、東京商工会議所 墨田支部会長、墨田区観光協会 理事長、阿部 貴明さん(丸源飲料工業 社長)など産業界代表、墨田区役所 区民活動推進部長 鹿島田 和宏さん、専業観光部 観光課長 金子 明さんなど行政代表、さらには、すみだ北斎美術館 館長 菊田 寛さん、副館長 鈴木 敦子さんなどキーパーソンが集まって、プレゼンに耳を傾けます。
例えば、10月3日には開催された「Biz@北斎」の初回では、秋田から、わらび座社長 山川 龍巳さんが駆けつけ、創作ミュージカル「北斎」を墨田区で定期公演しようとご提案、プロジェクトは進行中です。北斎賞受賞者や北斎マラソン参加者に「江戸の粋」を感じていただけるエンターテイメントが生まれそうです。
そして、12月12日の第二回では、世界でたったひとつの結婚式などを企画するベンチャー、クレイジー社長 森山 和彦さんがプレゼン。「北斎賞」にご賛同の上、アーティスト イン レジデンスのご提案をいただきました。若き同志が見つかることほど、心強いことはありません。
私の3つの大きな夢が、東京オリンピックに向けて、少しずつ形になっていくことを、またこのコラムでご報告いたします。どうぞ御期待ください!
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素敵な御提案です。友人・知人に拡散させて戴きます。
SNS等で北斎FANクラブ等を起ち上げたら如何でしょうか?。
其れと台東区・上野/浅草地区と競争に成らない様に絶えず情報交換と協業に配慮されては如何でしょうか?。
又信州・小布施との交流も更に推進されては如何でしょうか?。