ダリ展
ダリ展
国立新美術館
先週の連休にダリ展に行ってまいりました。連休の午後ということもあり大混雑で驚きました。チケットは招待券を頂いておりましたので、並ぶことはありませんでしたが、チケットを購入するところから30分待ち。その後、入場するにも40分待ちという人気ぶりでした。12月12日まで会期がありますので、もし、これから行こうと思う方は、出来れば平日の午前中に行かれることをお勧めいたします。
さて、シュールレアリズムを代表する作家としてのダリは若い人たちに人気だと伺っておりました。確かに40分待ちをする列の中には、年配の方より、若い方々の方がずっと多かったように思います。先日、画廊にきてくれた大学生のアルバイトの男の子も「ダリ展を見に行くのを楽しみにしています。10月11日は大学生は無料らしいし、、」と嬉しそうに言っていたのが印象的でした。
ダリについて、私は何度か日動画廊の長谷川智恵子副社長からお話を伺う機会があり、その印象を強く持っています。長谷川智恵子副社長は海外の有名な芸術家をTV番組の取材で直接お話しを伺っており、その中でダリの取材がとても印象的だったとおっしゃっておりました。マスコミに登場するときのダリは奇抜な格好をして、奇行を繰り返す方ですが、実際にお会いすると非常に常識的なジェントルマンだったということです。ダリの奥様のガラがマネージャーとして、取材の時には’そうするように’と指示があったと言われています
私にとってのダリは遠い、遥か彼方の方ですが、長谷川副社長からお話を伺うとすぐそこにいるというか、とても身近にダリを感じることができました。芸術家は亡くなってからも、作品を残すことで多くの人に感動を与え続けることができる素晴らしい仕事だと思いますが、その分、生きている間には不遇の時間が多く、誤解されることも多く、個人の人生として考えたときには、やはり相当な覚悟が必要とされる職業だと思っています。
ダリの作品から感じることは、デッサンなどからは技術的なレベルの高さと若いころからの作品の変遷から、時代を貪欲に自分のものとして吸収して表現された方であると思います。そういう意味で、多くの芸術家を輩出する時代というのは、時期がまとまっていて、いつの時代に生まれてくるのかということも芸術家の重要な要素のように思います。
私たち画商は、多くの芸術家を輩出する重要な時代に’今’を作っていく事が大切な仕事なのだと感じています。
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シュルレアリスム(シュールではありません)とダリについてのご意見拝見しました。ダリは実際に会うと「常識的なジェントルマン」だったとの話は岸惠子さんもテレビで発言していてお説の通りです。私見ではダリの原点は「エロス」だと思っています。今回の展覧会でもカタログ番号031や032のパンは男根を表象しています。ダリとエロス、そして父との関係について、フロリダダリ美術館の公式サイトに私の論文3点が紹介されています。日本語ですので、よろしければご高覧下さい。http://dalimuseumlibrary.contentdm.oclc.org/cdm/landingpage/collection/p16505coll12