台風直撃
22 台風直撃
久々に台風の直撃を受けました。それは今年発生の第9号で、この8月22日午後零時半頃、千葉県の館山付近に上陸しました。台風の位置は、その中心で示しますから、この台風が北方向に向かっている事からすると、間もなく、「我が取手付近を通るという事ではないか、これは大変だ。」と、これを聞いて正直思いました。 通常、こういう場合「正常化の心理」なるものが働き、当人は大丈夫と考える傾向があるそうですが、今回はまともに来るかも知れないと観念したことは確かです。
関東上陸で心配な風雨
そのとき、まず気になったのは雨のことです。 ラジオのニュースを聴いていると、この8月中旬に研修を受けた伊豆天城では、この台風の影響により何と四百ミリも降ったと言うではありませんか。もっとも、同地は山間部、平地の茨城県南部ならその半分の二百ミリ位かと予想しましたものの、それでも大変きつい降雨です。一年ほど前の常総市の鬼怒川側洪水が思い出されました。あれはそう言えば線状降雨と呼ばれ、同一河川流域に立て続けに豪雨が降ったもの、また、最近、近所で路面下に二方向から豪雨による排水が集中し、舗装がえぐられた災害があったことも想起されました。かと言って自然の猛威の前に打つ手はありません。
風も心配されました。 最大瞬間風速毎秒30メートルを超えたのが観測されたと言います。外出などすれば、傘が壊れ、飛来する物に当たるどころか、体重の減った身では吹き飛ばされるかもしれません。
いま、台風の目に居る
斯くて、室内にいて動かず、強い台風が通り過ぎていくのをただ待ちました。午後三時頃、台風は筑波付近に在るとの報道がありました。実はその頃、風雨が弱まったとの印象を持っていました。どうやら、この台風にも目があるようで、晴れたりせずとも、風雨は確かに温和しくなったのです。やれやれ、いま台風のど真ん中に居るのか、との思いが駆け巡りました。 あと何時間、こうしたひどい吹き降りが続くのだろうと、更に心配にもなりました。
さりとて、台風の移動北上は早い由、あと三時間もすれば暴風雨圏域を抜けるとの、一応の予測を立てました。さすれば、きっと我慢している犬を、外へ出してやらねばなるまいとの思いも寄切りました。
待てば回路の日和あり
すると、午後六時頃になると、風が穏やかになり、雨音も聞こえなくなりました。気象報道の予報通り、どうやら局面は東北方面に移ったようです。すると、突然のように蝉が一斉に鳴き出しました。まるで、台風一過に「一緒にワッ」と言うような感じがよく出ていました。元気な日本の蝉も解放感に浸ったのでしょうか。
西の空の雲が切れ、夕焼けが現れた
自身もほっとし、やっとと言うような気分になって、身支度をし、犬を呼びました。直ぐ姿を見せました。いつものように利根川の河川敷に向かいましたが、堤防まで行けたものの、堤外の広い洪水敷は立ち入り禁止となっていました。常総洪水の時ほどでないにしても、低水路が勢いよく増水しているのがよく見えました。防災服の人が監視していました。
関東は渇水中だったので、慈雨とも言える
ところで、見方を変えて言えば、これは慈雨の面があります。現にこれまで利根川水域は渇水で十%の取水制限が掛かっていたからです。それが、この大雨で各ダムの貯水が回復したため、この程解除になったとのこと、大変化ですね。斯く、この国は洪水と水不足が紙一重のところがあります。実は、二十四日になって、今度は岡堰のある小貝川に行きましたところ、堰止めは終わっていて、とうとうと流れていました。もはや、この増水で灌漑貯留の必要が薄れ、逆に貯めておくと危険が増したとも考えられます。確か本来二十五日が湛水の期限であったと思いますが、きわどいものを感じましたね。
それにしても、今年は台風が少ない感じ、それに、この9号始め、何故か東日本に集中していますね。また、発生個数が減り、大型化していると言うのは本当でしょうか。
末尾ながら、酷暑に続く台風の襲来、被害少なかれとお祈りします。
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