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備忘録(1)「異次元の少子化対策」
2023.01.06 Fri
岸田首相が年頭の会見で、「異次元の少子化対策」を実行すると語りました。少子化対策を拡充することに異論はありませんが、「異次元」と言われると、それは違うのではないかと、言いたくなりました。
少子化対策はさまざまな福祉政策のひとつで、福祉や教育は、私たちの生活と密接にかかわることがらです。こうした分野での日本の水準は、手本とすべき欧州諸国に比べると、かなり見劣りがします。少子化対策は国民生活の一環ですから、異次元ではなく、福祉や教育分野の政策と同次元で考えてほしいのです。
先進国クラブといわれるOECD(経済協力開発機構)38か国のうち、GDPに占める福祉や教育などの社会的支出の比率をみると、日本は17番目、公的な教育支出は35番目です。少子化対策の一点豪華主義では困ります。
国の政策で異次元と言う言葉は、アベノミクスによる金融緩和で使われてきました。それまでの政策とは大きく変更しているという意味でしょうが、岸田首相がこの言葉を使うのなら防衛費の支出にこそ、これまでの専守防衛策から大きく踏み出すものですから、ふさわしいと思います。
年末の予算編成で、防衛費は突出させたのに、子ども予算はおいてきぼりだと批判されました。そのことへの反発が「異次元の少子化対策」という言葉になったのでしょう。政治的センスを疑わせる言葉使いだと私には思えました。
(冒頭の写真は1月4日の岸田首相の記者会見。官邸のHPより)
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異次元なのは防衛費、その通りですね。