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本格的農の実践

2018.06.20 Wed
社会

本格的農の実践
平成30年6月
仲津 真治

高校時代からの我が友人に、東北の大地で、本格的に農を実践している人がいます。

栽培している品目は、例えば、ジャガイモのキタアカリ(男爵イモとツニカと言うの品種の交配種)や、アンデス(名前からして、南米原産に近いジャガイモの品種と言う事が知られる。)などで、規模は大きくないものの、農業機械も使う本格的なものです。 かつては、リンゴもカバーしていました。

では、彼が農家と言うと、そうではありません。 此処が大事なポイントなのです。 農家、即ち農業者となるには、農地を保有する農協組合員で無ければならないのですが、彼はそうではありません。 でも、実際、彼は農地を使い、例示したように、様々な作物を作っています。

まず、その土地は、耕作放棄地なのであって、厳密に言うと農地ではありません。この事が前提として背景にあります。そして、御縁があって、その持ち主の人が、農に熱心な彼に使わせてくれているのです。民法上の言い方をすれば、土地の使用貸借になりましょう。土地の賃貸借ではありません。

端的に言うと、彼は、かなりの規模の農を、機械も使いながら、趣味で行っている事になります。 そう、矢張り基本は農が好きなのです。 だからこそ、そのノウハウや経験は本格的なものとなります。

他方、彼は販売を行いません。 それを行うと、所謂「業」となり、農地法など諸法制に引っ言いかかるのです。 すると、生ものである作物は、生かされるべく、その御縁在る皆さん、親戚縁者、友人知人に配られることになります。 ファンは各地に結構いらっしゃる様です。 実際彼は、作物を好意で送付し、受取人払いに拠っていると言いました。

御縁の皆さんは、彼の丹精込めた作物を心待ちにしているようです。

もとより、肥料や除草剤などを、彼も入手している様ですが、原則農協組合員でないと購入出来ないところ、彼は準組合員という立場で手に入れている様です。斯くあれこれ、工夫はしており、苦労も多いようです。

此処で核心を突いた言い方をすれば、彼は街の人と呼ばれながらも、
その地に自身の家を建てて住み、農をしながら、ともに農家と茶のみ、いろ
いろと御縁を持ち、その地域に長年暮らし、斯く根付いた人と言う事の様です。

なお、水田を彼はやっていません。 なぜか。 伺えば水田は一町歩など相応の広さを要し、田植え機などそのための諸設備が必要になるからと申します。
彼の基本は、あくまで好きである農なのです。

仮に漁協の場合には、更に厳しく、組合員で無いと、漁船を動かすことは無理で、その辺りは農協の方が緩やかと云っていました。

世の中、いろいろ広がりがあり、さまざまな人生があるようです。因みに彼の様ケースは、程々に在る由です。

最後になりますが、彼は電気エンジニア、今の農との縁を開いたのは、もともと勤めていた会社が高度成長期に、東京から東北地方へ引っ越したのが切っ掛けとか。 そして、その後、社員として、その地に定着、趣味としての農も開始、現在は其処で第二の人生まで開拓し、エンジョイしている様です。

今の生計手段も、電気エンジニアの発展系の由。更なる御長寿と幅広い御活躍をお祈りするものです。

 


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