JMOOCって何? 誰でも、どこにいても学べる時代
◇日本でも無料大学講座JMOOC開始
MOOC(ムーク、Massive Open Online Course)をご存じですか。家にいながらにしてMITやハーバードの先生の講義がインターネットを通じて無料で受けられるオンライン学習サービスです。MOOC(ムーク、Massive Open Online Course)が始まったのは2002年のことで、いまや2000以上の講座がそろい、二百数十の大学・機関が講義を惜しげも無く無料で提供しています。全世界の登録者はおよそ3000万人に達しています。発展途上国の高校生がたいへん優秀な成績をあげて、MITに進学したというような例が話題になったこともありました。
※mooc list https://www.mooc-list.com/
日本でも2014年からその日本版JMOOCが始まりました。まだMOOCにははるかに及びませんが、現在では45の大学・機関の97講座が揃い、延べ登録者数も約44万人に成長しています。(2015年10月末現在、JMOOCによる) JMOOCの講座は、ドコモ、ネットラーニング、放送大学の3機関のプラットフォームを通じて提供されています。
※JMOOC http://www.jmooc.jp/
◇eラーニングの2タイプ
MOOCやJMOOCはeラーニングの一種です。eラーニングにもさまざまなタイプがありますが、教科書や参考書・問題集の延長上にイメージできるものと学校の授業の延長上にイメージできるものに大きく分かれます。共に、ITを使って、従来の教科書や授業ではできないダイナミックな表現や個別対応が可能になっています。そのほか、ゲーム仕立てで、展開が単線的ではない作り方を採用しているものもあります。
MOOCやJMOOCは上記のうちの授業タイプです。講師が顔を出して登場し、カリキュラムに沿って、適宜資料を使って解説をするというオーソドックスなスタイルをとっています。とはいえ、先生の言葉を聞くだけでなく、横に書き起こしの文章が表示されたり、講義によっては、それが日本語と英語に切り替えたりできるような工夫がされています。また、理解を確認するテストが章ごとに置かれていて、回答すると直ちに評価が返ってきます。決められた期間内に学習を終えると修了証書をダウンロードすることができます。
◇YouTubeやウェブの検索と何が違うのか
ところで、巨大動画サイトYouTubeで検索すると、JMOOCで取り上げているのと同じテーマの動画を見つけることがしばしばできます。その多くは、必ずしも授業のスタイルにはなっていませんが、知識や情報を得るという目的だけを考えたらYouTubeで足りてしまうこともあります。それどころか、ある知識を得たいという目的であれば、Googleで検索したり、本を読んだりすれば足りるということも多いでしょう。わざわざJMOOCで学ぶ意義というのはどこにあるのでしょうか。
端的に言えば、どちらが絶対的に良いということではなく、いつでも見ようと思えば見られるオンデマンド・コンテンツと、あるタイミングにおいてつき合うインタラクティブ・サービスという違いだと言えます。YouTubeなどは前者であり、JMOOCは後者にあたります。
◇JMOOCはコンテンツではない?!
たとえば、JMOOCの案内ページを見ると、まだ始まってない講座「さあ!プロジェクト学習とポートフォリオを始めよう!」というのがあります。
https://open.netlearning.co.jp/lecture/index.aspx?cid=00017J11
受講できるのは2016年1月18日 からで、それまでは、まだかなあとワクワクしながら待つことになります。そして、始まれば、毎週新しい講義がアップされるので、標準的には毎週3時間、鈴木敏恵先生をはじめとする講師陣の講義を、4週学んで修了することになります。その間、全国で同じ講義に参加している学習仲間が多数いるというのも励みになります。受講期限は2016年02月22日ですので、5週の間にすべて終えなければ修了証書がもらえません。
このように、JMOOCは、ただ見たり読んだりするコンテンツではなく、カリキュラムに基づいてスケジュール化されたサービスとして構成されたeラーニングだと言えます。
(写真は本文と関係ありません。)
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初めて投稿します。お礼が伝えたくて投稿しました。mooc を知りませんでした。Googleしました。日本でも始まるとのこと、朗報!まずは、善は急げ、本家大元のサイトで、今から学べることがあったら始めたいです!貴重な情報を共有して下さりありがとうございます。とても嬉しくラッキーないち日になりました!