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ケント・キ゛ルバートの日本覚醒

2017.07.11 Tue
社会

「ケント・キ゛ルバートの日本覚醒」
平成29年(2017)7月
仲津真治
1  文庫本になった著作

この書は、宝島社から、昨年8月に刊行された「日本覚醒」に加筆、改訂し
同社にて文庫化したものです。 原著者の「ケント・キ゛ルバート」氏は米国人
で、1952年、同国アイダホ州で生まれ、ユタ州で育ち、ブリガム・ヤング大学院
にて、経営学と法学を専攻、カリフォルニア州の弁護士となりました。夫人は
日本人と見られ、その事もあってか、氏は日本語が堪能、本書を始め、多くの著
作を達者な日本語で書いています。

斯くて、日本との御縁が早くから出来て、日本のテレビにも出演、レギュラーの
タレントになりました。つまり、 有名人と言っていいでしょう。その結果、テ
レビに出始めた頃、家族で東京の表参道を歩いていたところ、二人の女の子に
色紙にサインを求められたと言います。 しかし、彼はプライベートな時間であ
ることを理由に、断わりました。

すると、後刻、夫人が「あそこでサインしてあげれば、あの子達を凄くハッピー
にして、二人の人生を変えたかも知れませんよ。」と云われたと言います。
この貴重な体験をしたギルバート氏は、「自分の行動や態度ひとつで、誰かの
気持ちや考えに影響を与えられる事実を発見、再認識しました。

2  リアクティブからプロアクティブな意識や行動への変化

斯くて、この事は彼の生き方を変える切っ掛けとなったようです。 それは
英語で言うと、リアクティブからプロアクティブな意識や行動への切り替えと申
します。ここにReactiveとは、反応型の、受け身の対応を云い、Proactive とは、
積極的に自分の力で、皆を引っ張り込み、自分の目標を達成すると言うものです。

彼は、この事を、自身が大学院で学んだ、コーヴイ博士の「七つの習慣」から
採って、ひとつの大切なノウハウや知恵としている由です。 つまり、「リアク
ティブからプロアクティブな意識や行動への切り替え」や、その習慣化です。

そして、氏は、このプロアクティブな考え方を日本人にこそ勧めたいというの
です。

3  此処にギルバート氏は、「日本の覚醒を起こすために究極の薬を処方する」
と言います。

氏は、「まだGHQの洗脳に縛られている日本人」と捉えています。 これは、
元東工大や慶応大の教授であった江藤淳が1948年に、占領軍の将校や学者の
教唆によって発見し、調査していた事と言い、少なからぬ人々が、その存在・効
果を指摘しているものです。 War Guilt Information Programが原語で、略称は
WGIP 一応、日本人に「戦争責任の罪悪感を刷り込む宣伝計画」と訳されています。

それは余りに強かった日本軍、その統治体制、その精神力などに恐れをなした
連合軍・占領軍が、日本人や、その社会から、その強靱性を弱め、失わしめる
ために、徹底した対応や取り組みとして、工夫し、考え、実践したものと言われ
ます。

これを往時のプレスコードで再掲しますと、1 SCAP(連合国軍総司令部)に対する
批判、2 極東国際軍氏裁判批判、3 GHQが日本国憲法を起草したことに対する批判、
に始まり、併せて三十項目規制に亘るものとなっています。「日本人を狂わせた
洗脳工作ーーー今なお続く続く占領軍の心理作戦」(岡野通夫著 自由社 に全掲)
結果、例えば、戦争の名称も、日本の大東亜戦争から、米英の太平洋戦争へと変
わり、今日なお保守的な産経新聞さへ、それを維持しています。

さて、GHQによる日本統治は、1952年4月28日のサン行動フランシスコ講和条約
発効によって終わり、プレスコードも消滅したはずです。確かに、制度上はそう
なのですが、65年経た今も、それは隠然とその支配力、影響力を保って居ます。
この呪縛から脱却することを、ケント・キ゛ルバート氏は日本の大事な仕事であ
ると、しているのです。

氏のこの主張、見解に対して、賛同する日本人は多い由、然りながら、氏に
よれば、日本人は次の行動に移りません。

だが、氏は、公共放送機関であるNHKがそろそろ大きな一歩を踏み出すべきとして
います。これまで行ってこなかったのは、実際、日米関係の悪化が懸念されて、
切っ掛けが掴めなかったと言う事なのだから、そういうことにしておくのが良い
というのです。 将にものは言いようですね。

そして、今や戦後七十年経過しており、機密解除された当時の一次資料が、
米公文書館にて誰でも閲覧できる状態にあると言うのです。

斯くて、具体的な方法としては、既に解禁になっている一次資料を組み立てて、
報道番組を作り、数ヶ月程掛けて、広く内外に分るように報ずれば良いとのこと
なのです。 また、要望が出てくれば、主要新聞の参加も排除する理由はない
ようです。

懸かるアメリカ人識者の主張には、変化の時代の到来を感じさせるものが
あります。その中で、日本は変革の時を迎えている感じがしますね。 国家たる
日本のブレークスルーが要るように思われます。


この記事のコメント

  1. 元七 より:

     要は、他人の言う事を鵜呑みし、そのまま信じるのではなく、色々周囲の状況をよく検討し、成り行きを独自に判断し決断行動することが大事ということでしょう。

     でも、今でもそうですが、先輩上司先生など社会的に上位クラスの人の言うことはよく聞けというのが一般的ですよね。
     その人たちは、高等教育を受け知識・判断・経験・思考が優れているからマチガイが少ないと言われてきましたからね。

     それでこれを改革するには、今現在の日本国のどこをどう改め、どう行動したらいいのでしょうか。

     

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