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38 ヨーロッパ人がアフリカ大陸を植民地化出来たわけ
2018.09.12 Wed
ヨーロッパ人がアフリカ大陸を植民地化出来たわけ
白人のジャレド・ダイアモンド博士は、この問いについて、極めて明確な主張を記しています。 其処では、終わりの第19章で、「結論を述べると、ヨーロッパがアフリカ大陸を植民地化出来たのは、白人の人種主義者が考えるように、ヨーロッパ人とアフリカ人の間に人種的な差が在ったからではありません。それは気象条件を含む地理的偶然と、生態的偶然のたまものに過ぎないのです。
強いて言うと、簡約すれば、ユーラシア大陸とアフリカ大陸の広さの違い、東西に長いか南北に長いかの違いによるものであり、また、栽培化や家畜可能な野生祖先種の分布状況の違いによるものと言えるでしょう。 つまり、究極的には、ヨーロッパ人とアフリカ人は、動植物相の異なる、近いが別々の、大陸で暮らしていたので、異なる歴史を辿ったと言うことなのです。
もとより、この前提として、世界最大のユーラシア大陸の西端に複雑な形状のヨー
ロッパが位置し、その東側に広大なアジア大陸が地続きで東西に伸び、ヨーロッ
パの南側には地中海を隔てて、また、アジアの南西に当たるところには、南北に
長く広がってアフリカ大陸が存すると言う基本的な位置関係がある事を忘れては。
なりません。
斯くも広い視野から、旧大陸の地理関係を捉え、世界の歴史との関連を敷衍し解明した著作に私は初めて出逢いました。これで、自身の小学生の頃からの疑問が、古希を過ぎた今、大きく氷解した感がありまして、将に感服しております。
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